各種保険の変更に関する内容
1.強制加入保険の対象となる賃金は、地域別最低賃金より低くなることは不可
2020年1月1日から有効となる2019年11月15日付の政令第 90/2019 / ND-CP号に基づく地域別最低賃金の変更は次のとおりである。
順 |
地域 | 地域別最低賃金
(2020年1月1日から有効となる) |
職業訓練を受けた労働者(地域別最低賃金より7%高くなる
|
1 |
I | 4,420,000 VND/月 |
4,729,400 VND/月 |
2 |
II | 3,920,000 VND/月 |
4,194,400 VND/月 |
3 |
III | 3,430,000 VND/月 |
3,670,100 VND/月 |
4 | IV | 3,070,000 VND/月 |
3,284,900 VND/月 |
2.強制加入保険の対象となる賃金の上限
2020年7月1日から基本給与及び保険料の対象賃金は次のとおり引き上げる。
種類 |
上限 | 2019年7月1日から適用する | 2020年7月1日から適用する |
社会保険、健康保険 |
基本給与の20倍を超えない。 | 20*1,490,000
= 29,800,000 |
20*1,600,000 = 32,000,000 |
失業保険 |
地域別最低賃金の20倍を超えない。 |
20*地域別最低賃金 |
3.ベトナムで働いている外国人の労働者
3.1. 社会保険の加入対象となる外国人労働者
2018年10月15日付の政令第143 /2018/ND-CP号に従い、
- 2018年12月1日から、強制社会保険の加入対象となるベトナムで働いている外国人の労働者はベトナムの管轄機関により労働許可証、実務証明書または実務公認書を交付され、且つベトナムにおける雇用者と無期労働契約書、又は1年以上の有期労働契約書を締結した外国人労働者である。
2019年3月19日付のオフィシャルレター第1064/LDTBXH-BHXH号に従い、外国人労働者は、次の条件を全て満たす場合、強制社会保険の加入対象となる。
- ベトナムの管轄機関により労働許可証、実務証明書または実務公認書を交付されたこと
- ベトナムにおける雇用者と無期労働契約書、又は1年以上の有期労働契約書を締結していること
- 60歳未満の男性労働者、55歳未満の女性労働者
- ベトナム現地商業拠点を設立した外国企業の管理者、代表取締役社長、専門家、技術的な労働者として当該企業に12ヶ月以上前に採用され、企業内からベトナム現地商業拠点に一時的に異動する者ではないこと。
社会保険への加入対象とならない外国人労働者
2012年労働法及び政令第 11/2016/ND-CP号の第7条及び政令第 143/2018/ND-CP号の第2条で詳細に定められる場合は次のとおりである。
1. 労働許可証の交付対象ではない労働者。
2. ベトナムの雇用者と1年未満の労働契約を締結した労働者。
3. 社内異動者
ベトナム現地商業拠点を設立した外国企業の管理者、代表取締役社長、専門家、技術的な労働者として当該企業に12ヶ月以上前に採用され、企業内からベトナム現地商業拠点に一時的に異動する者を言う。
4.ベトナムの定年に達した労働者:男性に対し60歳、女性に対し55歳とする。
3.2. 健康保険の加入対象となる外国人労働者
社会保険、健康保険、失業保険、労働災害・職業病保険の徴収プロセスを規定する決定第595/QD-BHXH号の第17条に従い、健康保険の加入対象となる外国人労働者は次のとおりである。
- 無期労働契約、3カ月以上の有期労働契約書により働いている外国人の労働者
- 行政機関及び組織で働いている労働者、企業の管理者、賃金を受け取る協同組合の管理者
- ⇨ 労働者がベトナム人であるか外国人であるかに関わらず、上記の場合に当該する労働者は健康保険へ加入しなければならない。
3.3.外国人労働者に対する保険料 |
適用期間 |
対象賃金に対する保険料の比率 | |||
社会保険 |
健康保険 |
|||
疾病・妊婦出産基金 |
労働災害・職業病基金 |
退職年金・貴族基金 |
||
雇用者負担分 | ||||
2018年12月1日から |
3% | 0.5% | 0% | 3% |
2022年1月1日から | 3% | 0.5% | 14% |
3% |
労働者負担分 | ||||
2018年12月1日から |
0% | 0% | 0% | 1.5% |
2022年1月1日から | 0% | 0% | 8% |
1.5% |
- 社会保険の対象になる賃金には、労働法に従う給与、給与手当及び他の支給を含まれる。 月給が基本給与を20倍上回る場合、社会保険の対象になる賃金は基本給与の20倍に相当する金額である。
3.4. 社会保険、健康保険、失業保険に関する注意点
- 社内異動者の場合:
健康保険:管理者ではない社内異動者の場合は上記の健康保険強制加入対象に関する規定に定められないが、現在、この場合は健康保険の加入が不要であると規定する法的文書がないため、実際には、健康保険に加入しない労働者に対して当局により処罰及び説明を要求される事例があった。
- 年金を受給している労働者は社会保険に加入する必要がないが、健康保険に加入する必要がある(2017年4月14日付の決定第595 / QD-BHXH号の第17条)
- 同時に02つ以上の労働契約を締結する労働者は、最初に締結された労働契約に基づき社会保険料と失業保険料を納付し、最高賃金がある労働契約に基づき健康保険料を納付し、各労働契約に基づき労働災害・職業病保険料を納付する。 (2017年4月14日付の決定第595 / QD-BHXH号の第1条42項)
- そのため、労働者が2つ以上の労働契約を締結した場合、2番目の会社には労働災害・職業病保険に加入しなければならない。
- 現在、疾病・出産の制度は、外国人労働者がベトナム人労働者と同様な制度を享受でできる。但し、社会保険に加入しない奥さんが出産した際、男性労働者に対する出産制度は、外国人労働者及びベトナム人労働者の納付額が同じであるが、外国人労働者が享受対象外になる(2018年10月15日付の政令第143/2018/ND-CP号第7条に従う)。